日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

校舎裏の見せしめを経験し、それからはヤンキーにぶつかったり少しでも非礼があると、私はすぐ頭を下げて謝った。


私の態度はヤンキーが拍子抜けするほどだった。
こうして平和な生活を手に入れたかと思われた。


しかしある日の授業中。毎度のことながら授業も聞かずに騒いでいるヤンキーを眺めていると、睨んだ! と言われ、「テメェまだわかってねぇようだな」とまた校舎裏に連れてこられる。


また下っ端女が舐めたマネを。と先日にも増して苛立つ大園さん。


「お前に気があるんじゃねえの? 嫁にもいけない可哀想な子だからもらってやれよ」


「顔は可愛くないけどデブではないし、目閉じて頑張れよ」


「デブではないっつーかガリガリ骸骨女だろ。大園といたら潰れるんじゃね」


「は? あんなクソブス願い下げ」


大園さんは友達に茶化されたことで一層苛立ち、大勢のヤンキーの観衆の中で威嚇している。


ジロジロ見てしまって気を悪くさせたのは可哀想だと思ったが、コンプライアンスがどうこう言われる現代日本では考え難いような誹謗中傷の数々だった。