日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

階段で一階に降り、外の渡り廊下を通ると、白組の活動場所である武道場が見える。


下駄箱はすでに靴でいっぱいになっていて、私は脱いだ靴を床に置いた。


武道場にはすでに真木さんの姿があった。
後ろからは高木さんと茶橋さんが来ていて、二人は真っ先に真木さんのところへ向かう。


私は人の多い武道場に落ち着かず隅の方でスマホを触っていた。


「静凪さーん!」


真木さんに呼ばれ、私は早足で向かう。


「おはようございます」


「おはよう。ここ来てたなら声かけてくれたらよかったのに」


真木さんに言われ、すみませんと肩をすぼめる。


「いいよいいよ、ていうか今呼んだのは白組の僕たちで連絡を取り合おうと思ってね。メッセージ用のグループを作りたいんだ」


真木さんが持っていたスマホでグループに招待し、隆火応援隊 白組というグループに入る。
今回の体育祭には敵の情報収集という目的もあるんだ。

こうして隆火さん抜きという以外なメンバーのグループがいま成立した。


真木さんの近くには眼鏡をかけた背の高い人が並んでいた。その近くにはスピーカーを設置する人がいる。


「応援って何すればいいんすかね」


茶橋さんが真木さんに聞くと


「先に言っちゃうと、応援合戦でのダンスだね。競技中の応援はみんながやることだし、今から練習するのは主に応援合戦でのダンスだよ」


真木さんがぐるぐると手首を回しながら答える。