日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「こんな飴に手を出す度胸はあるのに、俺の教室に来るつもりはないんだな」


隆火さんは何故か不貞腐れた口振りでそっぽを向く。
どうして私が隆火さんの教室に行かないことを気にしているんだろう。まさか、隆火さんが教室に来いと呼び出したのを知らず知らずのうちにばっくれていた！？


「もしかして私、呼び出されたのに行きませんでしたか？もしかしたら忘れていたのかもしれませんし……ちょっと今スマホ見ますね」


慌ててスマホを見ても隆火さんからの連絡は既読がついている。最後のメッセージも記憶にあるものだ。


「あの、口頭で呼び出しましたか？私ついつい忘れてしまうことがあるので、呼び出したのに来なかったらメッセージを送っていただけると……」


「とぼけるな」


相変わらず不機嫌で、私はその原因がわからない。
でもきっと何かしてしまったのだろう。


「その、私に至らないところがあったのなら教えていただけないでしょうか？」


出会ったころを思い出して恐る恐る聞く。そういえば最近は下っ端意識を忘れていた。