日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「ここにいたのか、最近見ないと思ったら……」


振り向くと隆火さんだった。 でも会うような用事なかったし……え、まさか知らない間に呼び出しバックれちゃってた!?


「お、お久しぶりです。何か用ですか?」


「特に用はない。ただお前の姿が見えたから声をかけただけだ」


それはマメなことで……用もないのに話しかけてくるとは思わなかった。



「しかし、三年生に勝って番長候補になったんだぞ。用がなくとも俺の顔を拝みにきてもいいもんだがな」


「はあ……でも二年生と一年生じゃ階も違うので……」


「ああ言えばこう言う女だな。お前ほどの人間が理由なく他学年の教室に入ってはいけないという校則を気にするはずがないだろう」


いや、私は校則守る方ですが、隆火さんの中で私はどんな性格になってるんですか?


「その手にあるのは飴か。一つくれ」


「いいですよ」