日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「今日お前たちは、次に番長になる男の名を知っただろう。戦いから逃げず、俺の強さを知らしめてくれたこと、礼を言うぞ」


隆火さんは威厳のある立ち姿で、今日戦った五人に言葉を残した。


そしてこちらに向かってきて。


「どうだ静凪、勝つと言っただろう!」


自慢げな顔で、高々と声を上げた。
たしかに隆火さんは強いって知ってたし、疑ってはなかった。

だからって挑戦状書いたくらいで真っ先に声かけられると照れ臭い!
いつも険しい表情の隆火さんが嬉しそうにしていると、私もちょっと嬉しくて、同時に落ち着かなくて、なんか胸の中が……


私が動揺していると他のみんなは


「おかえり、隆火!」

「流石隆火さん!」

「ナイスファイトです!」

「よくやった、隆火」

真木さん、茶橋さん、高木さん、岡島さんの順で声をかけながら隆火さんに駆け寄る。


「ただいま」


隆火さんも目を細めて笑っていて、みんな笑顔で勝利の喜びを分かち合っていた。


「どう? 初めての三年生との戦いは?」

真木さんの問いに、

「勝つ自信はあった。しかし結果は想定以上だった。これなら番長狙いの争いに加わってもおかしくないだろう……」


隆火さんは冷静な顔になり、その目は未来を見据えていた。


番長の座を狙う人がどれくらいいるか知らないけど、琥珀と戦う日も遠くないのかもしれない。


戦いも今以上に激しくなるのだろう。


めでたい勝利であると同時に、未知の戦いの幕開けを感じさせた。