日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

三年生の攻撃は、一年たちの小競り合いのような拳とは音も姿勢も桁違いだ。隆火さんに直撃せずとも風切り音で威力があるのがわかる。


そんな攻撃を繰り出し続ければ体力も消費されていく。


三年生の気迫が増すと同時に、表情からも余裕が失われていた。しかし三年生に劣らない攻撃を繰り出す隆火さんは、息切れもせず攻撃から威力が失われることもない。


隆火さんがヘッドに畳み掛けると、隆火さんの重い拳が直撃する一方で、ヘッドの最後の一撃は届かない。
勝負は明らかだった


ヘッドが力尽きて地に落ちると、あいつがやられちゃしょうがねぇよ、と他のメンバーは戦意を喪失した。


相手には多少なりとも擦り傷や痣があるのに、隆火さんの見た目には傷一つなかった。表情も何一つ変わらない。


「三年生五人相手にこれほど早く決着をつけるなんて……前代未聞だ」


真木さんが驚愕の言葉を出す。


この学校のヤンキー史に残る圧勝だった。