日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

相手は隆火さんに詰め寄られると、後ろに退き、軽いパンチでの牽制を続ける。


三年生の手心か、二人同時に攻撃することはなかった。しかし自分が攻撃すると見せかけてもう片方が攻撃するということは何度もあった。


相手が牽制やフェイントを駆使して翻弄しようとする中、隆火さんは遠慮のない攻撃を繰り広げる。


一人で二人を相手取るも、苦戦する様子は見えない。長いこと敵の二人が機を見計らっている中、最初に向かってきた人に隆火さんの重い一撃が入った。


立て続けにもう一人にも一撃を繰り出し、二人が膝をついた。


事の大きさに気付いた残りの三人が、声を荒げて向かってくる。


しかし隆火さんはちっとも息を荒げずに振り向く。
次々と迫る敵グループの攻撃。その全てを凌ぎ、妥協のない攻撃を繰り出す。


互いに緩めず譲らず、長期戦と化す。


苦しくなった方が負けだ。どちらが脱落するか。
すでに仲間を倒された三年生たちか、それともたった一人で戦う年少の隆火さんか。


双方の表情から目が離せなかった。


どちらも真剣で、気持ちの面では互角だった。
私は隆火さんの強さを信じているけど、三年生に負けてもおかしくないと思った。