日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「横の奴らはツレか？」


「仲間だ。しかし今日やるのは俺一人だ」


「そりゃ大した根性だな……」


不良グループの五人が肩を回し始めた。

しばしの睨み合いの後、右端にいた一人が隆火さんに殴りかかった。


隆火さんは半身を逸らして避ける。
それから間髪入れず同じ人から攻撃がいったが、隆火さんは相手の拳を手で受け止めて押し出し、バランスを崩させた。


今度は別の人が前に出て、隆火さんに殴りかかる。隆火さんはそれを防ぎ、反撃に移る。
すると相手は反撃で出来た隙を見つけて攻撃する。
隆火さんは腹部に攻撃を受けたもののちっとも表情が変わらなかった。


隆火さんが攻撃を受けた瞬間の私は、あっ！と思って心配した。この攻撃で弱ったところに畳み掛けられるんじゃないかと思ってしまった。


でもそれは杞憂で、隆火さんは反撃に移る。相手は後ろに飛び退いて距離を取り、また隆火さんに襲いかかる。
右上部への攻撃、かと思いきや左へ。フェイントだ。


隆火さんは間一髪で避けた。