日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

そして挑戦状に書かれた日がやってくる。


放課後。喧嘩には参加しないけど本気なのかこの目で確かめたくて、指定した場所に接近する。


「あ、藤原さん」

先にいた茶橋さんが私の姿を見つける。私は会釈して、遠巻きに立ち止まった。


「そこでいいの?」


高木さんが聞いて、私はほとんど部外者なのに近くに寄るのもなぁと思っていた。


やがて真木さん、岡島さんがやってくる。そして……


「隆火、勝負の時だね」



「ああ」


半歩前に出て脇を固める真木さんと岡島さん、その間に隆火さんがいた。

ああ、本気なんだ。
それがわかったらいい。隆火さんに見つかる前に去ろうかとも思ったけど、隆火さんは私の姿を見ると


「静凪も来たか。お前が書いた挑戦状だ、しっかり勝ってやる。見ておけ」


戦いはすぐ目の前なのに、野心の光る笑みを見せ、負けたらどうしよう、なんて揺らぎは全く見えない。

見ておけだなんて。別に私は下手な書状を書いただけだし。結果は気にしていないんだけど。