日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「さて、僕と決着つけようか」


琥珀は血と汗を拭いながら、ふらりと現れた大太を見やる。


大太はさきほど真木に後ろから腕で拘束されたが、後ろ足で真木のスネを蹴ってから振り飛ばして抜け出した。


琥珀はすでに傷を負い、大太は涼しげな顔をしているが、琥珀に勝ち目がないほどでもない。


大太は飽きてくると集中力が散漫になるため、長期戦に持ち込めば倒すのも容易い。


大太を弱らせるには、彼が飽きるまで攻撃を続けさせるか、こちらが攻撃を畳みかけて嫌になるのを待つか。


大太はまだ余裕がありそうなため、琥珀としても、攻撃は出来るだけ受けたくない。しかし大太の一撃を我が身で確かめたい気持ちが抑えられなかった。


大太は離れたところからノーガードで突っ込んでくる。


ふわりと広がる白髪も相まって夜の蛾のようだった。


ガラ空きだ。よし、叩き込んでやる。
琥珀の心中は得意げだった。強い者が好きな琥珀は、大太に攻撃を叩き込んで、怒りを込めた反撃をしてくるところが見たかった。


琥珀は大太を見て口角を引き上げた。


しかし大太はふわりと琥珀の横をすり抜けると、後ろに回って首に手刀を叩き込んだ。


琥珀は顎を突き出して息が詰まった。


そして大太は琥珀の背中に蹴りを入れ、地に倒したのだった。


この戦いによって体育祭のトロフィーは大太に渡ることが決まった。