日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「このままじゃメンツが立たない。これじゃ顔ないよ。ということで、僕たちが君に一回づつ鉄拳制裁して落とし前をつけようと思います!」


大太はそう言うとすぐ、隆火の胸元に強い拳を食い込ませた。


「これは俺からの罰だ!」


続いて琥珀が隆火の横っ面を殴る。
隆火は制裁を甘んじて受けた。


地面に腰を落とし、横顔には痛々しい打撲痕がある。


体育祭でヘマした二年をシメるというのは、喧嘩を始めるきっかけ作りである。


だから鉄拳制裁が終われば隆火も反撃に移るのだ。
隆火はすぐに息を整え鉄の顔で見上げる。


隆火が反撃に移ろうとしていたとき、「二対一なんて卑怯だ!」と隆火陣営が声を上げる。


「僕らが加勢してもいいですか?」


真木は番長級の相手にまっすぐと緊張感のある様子で聞いた。


「全然いいよ」


「望むところだ」


大太と琥珀の二人が答える。