日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

そして次の借り物競争で、白組の二年生が放送席に向かって来た。私は応援団の生徒というお題で連れて行かれるらしい。


真木さんは借り物競走の人に白組の役職持ちの人を事前に教え、女子や団長などお題に出てくる人を放送席前に待機。またお題が決まったらすぐに白組全体に伝達される仕組みをつくり、対策していた。


物が必要だったら総動員で探し、人が必要だったら誰を連れていくのかすぐにわかるようにした。


白組の二年生が私と一緒に行こうとしたとき。


先に隆火さんがやってきて、「お前の組のもん、もらっていくぞ」と私の腕を引いて連れて行く。


隆火さんに引っ張り出された私は、白組の「何捕まえてんだー!」というヤジで気付いて、隆火さんから逃げる。


隆火さん相手に運動場の隅から真ん中までスタコラ逃げる。いろんなところのテントから、「早っ!」という声が飛び出る。
「逃げるな!」と隆火さんに詰め寄られて


「だって行きたくないもん! 追われたら当然逃げるし、私だって自分の組を勝たせる必要があるから!」


と私の言い分を主張した。



「俺だって譲れないんだ!この紙を見ろ!他のやつは誰を借りたっていいが、俺にはお前しかいない!」


と勢いよく開いて見せられた紙のお題は「大事な異性」だった。


えっ……
私はフリーズしてその隙に担ぎ上げられる。


隆火さんの怒涛の足で舞い戻ったけど、結果隆火さんのクラスは大敗。


借り物競走は白組が独占した。


午前の時間終了後、隆火さんは「俺は自分の権利を主張して仲間を守れたし、いい勝負を見せてもらった」と清々しく笑う。

そこで私は「親は来てるの?」と聞く。
隆火さんは母さんが観客席で見に来ているというので、

「もし私が逃げた時点でお母さんを連れて行ったらいいんじゃないの?」

と言うと、ぴしゃりとフリーズする。


しかしもごもごと、「男には譲れないもんがあるんだ、一度決めた獲物を逃すか……」と言う。


隆火はこうと決めたら変えないから……と真木さんが苦笑いしていた。