日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

鉄骨渡りは慎重に。帰り道でも道路の縁石に乗って練習していた。特別なことはしなくてもひたすら進み続ける……


赤組の男子が横で渡るのを見ながら鉄骨渡りを終え、コーナーを走っていく。


私が走って勝ったことがあった?昔みたいに抜かされるんじゃ……


小中学校通して一着になったことのない私は、勝てると思って走ったことがなかった。
前にいる子とは差が開くばかりだし、後ろからも抜かされる想像ばかりがついて、これ以上速くしたくても足が回らなくなる。


どれだけ頑張っても、いつもコーナーを曲がり切ったあたりで抜かされて……


そのとき、「負けるな」と心の中で隆火さんが言った。


隆火さんならきっと、私が勝てないと思うことを許さないだろう。
隆火さんがそう言うなら、私はまだ負ける気になってはいけない。


私は心を持ち直す。

意識しない方が走れると真木さんが言っていた。
練習のように、目の前のただ一点を見続ける。


負けることなんか考えなくていい、ひらすら前に居続ければいいんだ!


自分の体が目の前を突っ切り、ゴールが迫る。


「まだリードしている!白組速い!」


勢いそのままにバトンを渡し終え、実況を聞いてまだリードが残っていたことを知った。