日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

日焼け止めを塗り終えてからプログラムを見ると、最初は綱引きから始まる。どの種目も一年生から始まるから忙しい。


今度は真木さんがやってきて、「調子はどう?」と聞かれる。


「大丈夫です」


「それは白組にとってプラスだね。大縄も綱引きもだけど、障害物リレーには僕も関わってるからよろしくね」


昨日のメッセージで、真木さんは体育祭の実行委員をしていて、障害物リレーの借り物の内容も考えたと言っていた。それで私は色々物を持ってきて借り物競走を有利にしたいと申し出た。


「実行委員の特権で競技の対策も講じているから。静凪さんも色々対策してくれてるんだってね」


「はい、次綱引きなんですけど……」


私はズボンのポケットに手を入れ、中の物を取り出した。どうしても体重に不利があるから、焼け石に水だとしても目立たない程度に物を入れて重しにしたのだ。


「いいよ、そのガッツ。赤組との力量差や女子であることを考えたらそのくらいバチは当たらないよ」


実行委員だけど私を咎めることはしなかった。