日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

開会式が終わるとクラスのテントに戻る。開会式後しばらくの待機時間があり、私は靴紐を固く結び直していた。


私がしゃがんでいると、上から私を呼ぶ声が聞こえる。近くのテントにいた早乙女先輩が来たらしい。


「藤原さん、日焼け止めはある?」


「いえ、普段からつけないタイプなので持ってきてないです」


「ええっ!じゃあ手出して」


「いえそんな、もったいないですよ……」


「そんなの気にしない、これいっぱい入ってるから!こんな日差しで日焼け止めなしは死んじゃうってば!」


早乙女先輩は大きな日焼け止めのボトルを持ち、私の手にたっぷりと出した。早乙女先輩は本人以上に私の肌を心配している。


「ありがとうございます……」


「汗で落ちたりするから遠慮せず塗り替えにきてね」


そう言って早乙女先輩はクラスのテントに戻って行った。大平先輩のところにも行ったのかな。
こんな一年生を気にかけてくれたんだ……