日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「もしなんかの間違いで白組が勝ったらどうするんすか?」


高木さんが不安そうに聞くと、


「終わり次第速やかに隆火に渡せばいいよ。白組にそこまで番長にこだわるやつはいないし、琥珀と目黒がすぐに血眼で獲りにきて、変に渡すのを拒んだら目黒が白組を血で染めかねないからね」


真木さんが苦笑いで答える。
さっきの様子を見ると目黒ならやりかねない。



クラスのテントに戻ると、開会式の時間が迫り、先生が整列しろと呼びかけた。


クラス別に整列して運動場に立ち、私はそのさなかに、雲の厚い空と、離れては突き合うような二匹のトビを見る。

全員の揃った運動場で開会式が行われ、野望渦巻く体育祭が幕を開けた。