日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「代々トロフィー狙うとかヤバいっすね。トロフィーって家に持って帰れるんすか?」


白組のテントに戻りながら茶橋さんが聞くと、


「ううん、学校の所有物だから……トロフィーは基本的にその年優勝した組のMVPクラスに飾られるんだけど、実際は当代の番長が管理する権利を持つからね。今だとトロフィーを持つことが番長になる条件になる」


真木さんは緊迫した表情で答える。つまり隆火さんを番長にしたいなら体育祭のトロフィーを勝ち取らなければいけないんだ。


すると茶橋さんが少し心配そうになり。


「隆火さんのクラスがMVPにならないといけないんすか?」


「いや、どうせトロフィーは体育祭後に争奪戦になるだろうし……多分目黒か琥珀を喧嘩で倒してトロフィーを奪い、最強を証明するって流れだろうね」


確かにそれが一番わかりやすいだろう。自分のクラスがMVPでなくても目黒は力尽くで奪うだろうし、隆火さんにとってもそういう方がやりやすい。