日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

不必要にナイフを持ち歩いていたら普通は職質されるのに、ほどほどにねと言うだけで終わらせるなんて。
高校生ということを考慮しても異常な対応だ。


喧嘩したら怖いのは琥珀かもしれない、でも敵に回して怖いのは目黒だと感じた。


「父さんと仲良い人たちも見てるから負けられないなぁ。別に番長になりたいわけじゃないけど、僕も父さんたちと同じように、トロフィーだけは絶対手に入れなきゃいけない。それが僕の使命だから。たとえ他の人が欲しがっても譲らないよ」


それを言い残し、目黒は髪をひるがえして去って行った。


「俺は目黒に……もちろん隆火、お前にも負けねぇ。番長になるのは俺だ」


琥珀は野心に満ちた顔を向ける。


隆火さんは彼が去るまで琥珀の顔を見ていた。