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三十分後。
打ち上げ花火が終わると、屋台で明るかった中庭も片付けを始めたことで明かりが少なくなっていった。
「……終わっちゃったね」
「そうだね。終わると、なんかこうーー悲しくなる」
彼の言葉に、たしかにと頷いた。
「それで、美華ちゃん」
「ん……?」
「さっきの話の続き。美華ちゃんは、何が言いたかったのかなーって」
ニコニコと悪いことを企んでる笑顔。
「えっ……わ、私……さっき言ったよ……?」
「えー? 花火でよく聞こえなかったから、もう一回。ね?」
あんなに小っ恥ずかしかったことをもう一回……!?
そんなこと、できるはずがないーー普段なら。
もう、彼の気持ちは分かってて、気持ちが分からなかった時よりも、少しだけ緊張は和らいでいた。
「ーー私も、好きです」
「……嬉しいね。やっぱり。そう思ってくれる人がいるってことは」
目を細めて布団から手をスッと出すと、私の頬に触れた。
「っ……」
痩せても、角張った男の子って感じの手にドキドキした。
「同じ気持ちって、こんなに嬉しいんだ」
「……うん」
その感覚は、私も初めてのこと。


