もっと、キミと



「さ。せっかく買ってきてもらったんだし、食べよ。ここからなら、花火も見えるし。実は最適なのかも」


気持ちを伝えるよりも先に、腹ごしらえ。


腹が減ってはなんとやら。


それに、ここの方が良いのかも。


冷房の聞いた涼しい部屋で、樹くんと二人きり。


彼の言葉にコクリと頷いた。


テーブルの上いっぱいに並ぶ屋台のご飯。


食欲そそる香りに、私達はごくりと生唾を飲み込んだ。


「美華ちゃん。色んなの食べたくない? 気にしないなら、このまま直にお箸を使おうと思うんだけど」


「そ、そう……だね。これだけあるし。う、うん……私は、全然……!」


むしろ、気にしてくれる樹くんが新鮮だった。


クラスで、呪いだとかキモいとか言われて、いっぱい傷ついた。


触れただけで、汚いとかそういうのーー本当に嫌だった。


でも、やっぱり彼は違う。


私をバイ菌のように扱わないし。


……あぁ。


お腹が満たされて、タイミングを見計らいたかったのに。


もう、私はーー気持ちを抑えられない。


一度箸を置き、彼をじっと見つめた。


やっぱり、カッコいい。


出会った時も、今もーー何も変わらない。


変わったのは、私が樹くんを好きになったという事だけ。