「もちろんだよ? だって、樹くんのために買ってきたから」
そう言うと、彼はニッと嬉しそうに笑った。
「せっかく美華ちゃんが綺麗に作ってくれたから、食べちゃダメなのかと思っちゃった。でも、そうだよね。お見舞いに来てくれたんだもんね」
と、ヘラッとして笑う彼。
フォークでリンゴを刺し、全てのリンゴを食べ終えた。
「そうだ。宿題貰って良い?」
リンゴですっかり忘れていたけれど、宿題を渡さないといけないんだった。
こっちの方が、大事なのに。
宿題を取り出そうと、再度鞄を漁るとパラっと一枚の紙がベッドに落ちた。
「美華ちゃん。何か落ち……コレって」
拾ってくれた樹くんが見たのは、一週間後にある夏祭りのチラシ。
多分、見に行かないだろうけど、もしもってことがあるかもと思って、チラシだけ貰った。
この夏祭りは、花火が有名で県外からわざわざ来る人もいる地元の大きなお祭り。
「あっ。ご、ごめんね……! さっきから、色々と……」
リンゴにしろ、このチラシにしてもさっきからドジばかり。
さすがに樹くんに呆れられそう。
だって、このチラシを見てからの樹くんの顔。
すごく険しい。


