もっと、キミと



「うん。いつでもお嫁さんになれそう」


じっと見つめ小っ恥ずかしい事を言われ、ボッと顔が熱くなった。


「お、お嫁さんっ!?」


慌てて手に持ってるリンゴがツルッと床に落ちそうになった。


「大丈夫!?」


「うっ、うん。ごめんね、コレも食べられなくなる所だった……」


彼氏がいたことがないのに。


まだ先の未来だけれど、いつか誰かと結婚する未来を考えたことがないわけではない。


でも、恥ずかしくてそんな話誰にもしたことがないし、できない。


まぁ、好きな人は目の前にいるけれど、この調子だから想いを告げられる日が来るのかも怪しい。


「ははっ。美華ちゃんってば、そんなに顔を赤くしちゃって」


「だ、だって……! 樹くんが……!」


「え? 僕なにか変な事言ったっけ?」


きょとんとすっとぼける樹くん。


まさか、自覚がないの?


「いや、その……お嫁さん、って」


「うん? あ、でもこういうのってあんまり言っちゃダメだよね。結婚って選択肢の一つで、必ずしもみんなの幸せってわけじゃない」


そんな考えもあるんだ、と思っていたら「って、テレビで言ってた」と部屋の隅にあるテレビを指差して言った。


普段、テレビをあまり見ないけど入院ってなったらやることなくて見ちゃうよね。