「す、すみません……」
先生が話しているのに、全く聞いてなかった。
ペコっと軽く頭を下げ、謝ると「はぁ」と大きなため息を吐かれた。
そりゃあ、呆れられるよね……。
「違うわね。その様子だと、佐倉くんのことが気になるのね」
「う……」
図星で何も言えなくなってしまった。
「……午後から佐倉くんに宿題を届ける予定だったんだけど。実は、急な職員会議が入ったのよねぇ。ほら、夏休みってヤンチャなことしたがる子が出てくるから……佐倉くん、宿題がなかったら困るだろうなぁ」
チラチラと私の方を見ながらわざとらしく言う。
「っ、わ、私っ……行っても良いですか……!」
考えるよりも先に体が動いた。
帰ってくると信じ、一度もお見舞いへ行っていない私への優しさだろう。
先生は、にっこりと笑ってゆっくり頷いた。
「えぇ、助かるわ。お願いね?」
このチャンスを逃したら、余計にお見舞いに行けなくなってしまう。
先生からプリントを受け取り、久しぶりに会える事を嬉しく思った。


