もっと、キミと



「ご、ごめん……変なこと言って」


迷惑がられる前に、保険をかけて謝った。


気持ちが彼の顔に出てるのではないかと思うと、顔を見ることができなかった。


しかし、彼はクスッと笑った。


「全然、変じゃないよ。無理のない範囲で、来て欲しいな」


優しく微笑む彼。


私は、静かにこくりと頷いた。


「でも、お見舞いに来てもらう前に退院しちゃうだろうけど。美華ちゃんにリンゴとか剥いてもらいたかったな」


私がお見舞いに来ることもなく、もう一度教室で会えるという希望が見え、少し心が軽くなり笑みが溢れた。


「……まったく。心配して来たのに、元気そうね。あまり長居するのも悪いから、私達は帰るわ」


あ……そうなんだ。


そんなにあっさりと……。


今日一日、学校に帰ることはないと言っていたからてっきり長居すると思っていた。


でも、たしかに長居するのは悪いよね、と改めて考えると納得できた。


「それじゃあね、美華ちゃん」


いつもと同じ気さくな笑みを浮かべる彼に、ゆっくりと頷いて手を振った。


「うん、バイバイ。また、学校でね……!」


彼が帰ってくる。


そう、信じて病室を出た。