もっと、キミと



「……私にかかってればよかったね」


まさか、佐倉くんまでクラスの男子みたいなことをするとは思わず幻滅した。


ふてぶてしくムッとしてそう告げると、彼は眉を下げて慌てた様子に見えた。


「ごめん。怒らせるつもりはなかったんだ。本当に水をかけるつもりもなくて。こういうことしてみたかっただけ」


「……私がバイ菌って言われてて、気持ち悪いから? 水をかけたら、綺麗になりそうだもんね」


クラスで嫌なことをされても、何も言えなかったはずなのに、すらすらと言葉が出てきてしまう。


そんな自分に、少し驚いた。


「は? 誰がそんな事言ってんの?」


先ほどまでよりもワントーン低い声でそう言う彼に、驚いてバッと顔を見た。


すると、彼は真剣な顔をして明らかに怒っていることが分かった。


「あ……ご、ごめんなさい……」


「いや、謝るのは僕の方だから。不快な気持ちにさせて本当にごめん。でも、白鳥さんに嫌な事をしようなんて思ってなかったから」


真顔だけど、怒っているのとは違いまっすぐに私に気持ちをぶつけてくれるのが分かった。


「水辺に来たら、女の子とこういうことするもんだと思ってた」


なんて、真剣な顔をして言葉を続けた。