誰とも鉢合わせませんように、と心の中で何度も祈った。
それに、屋外プールにはあまり良い印象がない。
塩素系の薬の臭いがキツイし、プールに入る前のシャワーや消毒は冷たいし、水が鼻から入ろうものなら痛くてたまらない。
彼は、そんなプールのどこに魅力を感じているのだろう。
「わ……白鳥さん、白鳥さん!」
「どうしたの?」
「すっごく綺麗! ほら、見て」
こっちは、周囲の視線が気になってそれどころじゃない。
そんなら気持ちだったのに、嬉々として話す彼に釣られてプールの方に視線を移すと、彼の言葉は真だった。
「わ……本当。とても綺麗……」
授業で見ていたプールは、情景を楽しむ余裕なんてなかった。
しかし、彼に言われて見た光景は驚いた。
透明な水に、陽が反射してキラキラと輝いている。
まるで、宝石のような美しさが二十五メートルプールいっぱいに広がっていた。
プールは、こんなに美しいものだったのだろうか。
思わず、乗り気で前に乗り出してしゃがみ、水面をじっと見つめた。
「掃除は終わってたみたいだし、試しに水を溜めてるんじゃない?」
「え……どうして知ってるの? プール掃除は一、二年生がするでしょ? 日程なんて知らされてないんだけど……」
彼の言葉に、こてんと首を傾げた。


