教室の窓は、すりガラスになっており廊下から中を確認できない。
隣の教室に到着すると、ガラッと扉を開けた。
中には、机に突っ伏している佐倉くんがいた。
「やっぱり、真面目に自習なんてやってないわね。……さーくーらーくん!」
彼の耳元で大きな声を出して呼ぶと、ピクッと体が跳ねた。
顔を上げると、眠そうな顔をしている彼と目が合った。
「ねむ……」
「寝ないで。新しいクラスメイトになる子を連れてきたんだから」
「クラスメイト……あっ! 白鳥さん! 保健室登校するんだ!」
半目で目元を擦っていた彼の顔がパァッと明るくなった。
勢いに押され、こくんと頷くと彼は上機嫌にニコニコと笑った。
「良かった〜。僕、一年生の時からこの教室で先生とマンツーマンだったからさ。クラスメイトがいるの、嬉しいよ」
まるで、幼子のように嬉しさを表情に全面に出す彼。
そんな彼につい「ふふ」と笑みが溢れてしまった。
「……ようやく笑ったね」
「え……?」
「屋上の時から、ずーっと悲しそうな顔をしてたから。笑ったら、可愛いんだしずっとニコニコしてれば良いのに」
「なっ……!」
自然と可愛いと言われ、聞き逃しそうになったがポッと頬が熱くなった。
この人、ほんとすごい……なんで恥ずかしそうにもせず、そんなことが言えるのよ。


