もっと、キミと




「彼の場合、特殊なんだけどね。普通に……って、言っていいのか分かんないけど、何も考えずに登校できるなら、教室へ行っていたでしょうね。そして、たくさんの友達にも囲まれていたと思うわ」


先生の言葉に、たしかにと頷いた。


もし、彼が癌じゃなければ、余命なんてなければきっと楽しく学校生活を過ごしていただろう。


どうして、彼に余命があって、私にないんだろう。


彼の方が、きっとーー私よりも有意義な時間を過ごせるはず。


ーーダメだ、ダメ。


どんどんマイナスな方へ考えがいってしまう。


「それで、どう? 保健室登校を前向きに考えてみるのは?」


「で、でも……親とか、先生とか……」


「親御さんや担任の先生には、私が説明するわ。それならどう?」


間宮先生の寄り添ってくれる言葉に、心がじんわりと温かくなった気がした。


そして、私はゆっくりと頷いた。


「よかった……! それなら、話は早いわ。さっそく、隣の教室へ行きましょう。佐倉くんが、真面目に自習してるとも思えないし」


心底安堵した表情で、パッと明るくなると間宮先生が先導して隣の教室へ向かった。