私のことをそんな風に言ってくれるのは、樹くんだけかもしれない。
それでも、ふと思い浮かんだ彼の言葉は私の心をそっと優しく包み、勇気を与えてくれた。
「ブ、ブスって言うけど……私にだって、気持ちはあるの……! 傷付くの……! 私の気持ちを無視して、勝手な事を言わないで……!」
足が震え、心臓もバクバク。
それでも、言いたかった事を全部言えてスカッとした。
「は? ウザ。お前と話してたらバイ菌が移るわ!」
「っ……そ、そんなこと!」
どれだけ言っても、次から次に酷い言葉が飛んでくる。
このまま、逃げるしかない。
やっぱり、教室になんていられない。
そう思っていたら、私の前に大きな背中が現れた。
「おい。もうやめとけ」
怒っているような低い声音。
たしか、彼はーー。
「あ? お前に関係ねぇだろ」
「ある。白鳥さんは、このクラスの一員。俺は学級委員長だから。どう見ても、白鳥さんは嫌がってる。平穏なクラスを乱す奴を野放しにできるわけないだろ」
突然現れた味方に、涙が溢れそうになった。
気持ちを口にしたら、賛同してくれる人が現れたのだ。


