「でもどうして?」
「ん?俺が悔いのないようにしたいから」
そう言ってはにかんだ奏太の笑顔は昔を連想させた。
昔はよく無邪気な笑顔を私に見せてくれていた。
「まず、俺には好きな奴がいるんだ」
コホンッと咳払いをすると改まったような態度でカミングアウトする奏太。
「えっ奏太好きな人いたの!?」
奏太はずっと草むら走ってます!太陽が友達!みたいな感じだと思っていたのに、まさか好きな人がいるとは……
「いるけど」
「そうなんだ……」
私は恋した事ないからどんなものなのかわからないけど、なんだか羨ましいっ
奏太は今まで好きな人がいると誰かに伝えた事がなかったらしく、その好きな人の特徴をずっと聞く事になった。
なんでも「話し出したらキリがねぇ」らしい。



