「もういいから帰れよ」



いつもより何倍も低い声。目には光が入っておらず朝のあの笑顔の人と同一人物かと目を疑うほどだった。



「俺はお前の為を思って言ってやってるんだぞ?」



四季さんに対抗して強面の人も怖い顔を更に怖くした。まるで鬼のように怖い形相だ。



「だから、迷惑なんだよ」




「こっちだって迷惑してるんだぞ!?どこぞの馬の骨かもわからない女と一緒に住んでるだと?」



「そんなの僕が決める事だろ、お前の意見なんて聞いてない」



どんどんヒートアップする二人の姿をただ立ち尽くすしかてしかできない私。




この人は一体何者なんだろう。こんなにも四季さんに突っかかってくるって事は四季さんの知り合いなのは確かなんだけど……



私の直感がこの人は危ないと警告してくる。



口調も荒くなる二人を見てもしかして殴り合いの喧嘩になってしまうのでは……と心配するくらいにまでなっていた。



どうしよう……なんて声をかけたらいいかわからないし、なんか怖いし……



いつもと違う四季さんを目の前にし、さっきまで冷静だった脳が混乱しだす。