余命宣告を受けた地球の中で私達は恋をした。


「ち、ちょっと落ち着いてっ急にどうしたの?」



変なオーラを出す四季さんと噛みつきそうな奏太の仲裁に入る。今にも私が潰されそうになりながら。



「美央は黙ってて、これは俺らの戦いだから」



「そうだよ、美央は何もしなくていいから」



こんな時だけ意見一致するのね……



二人の団結力?に呆れつつペンッと弾かれるように二人の間から抜け出す。



どうしよう、このままだと近所の人からクレームが来てもおかしくない。



家の中に入らず玄関先で喧嘩が始まったので外まで声が丸聞こえ。



と、とにかく中に入ってもらわないとっ



「あのっとにかく家の中に入ってくださいっ」



二人の剣幕に負けないように大きな声で言う。もしかしたら私の声でクレームが来るんじゃないかと心配になるくらい周りに響き渡った。



「わかったよ」



「中でゆっくり話そうか」



一旦自分の気持ちを抑えるかのように深呼吸をしたりしながら二人は家の中に入っていく。



よし、なんとかこれでご近所さんからのクレームは免れた……



ひとまず安心してホッと胸を撫で下ろす。



「だから……」



「うるさいなぁ……」



もう始まったのか……



家の中に入って数分しかたっていないのにスピーカーを通しているのかというくらい外にまで怒声が聞こえてくる。



どうしたらあんなに声が聞こえてくるのよ……



声帯への疑問が風船のようにポンポンと浮かんでくる中あれを止められるのは私しかいないなと思いあの戦場へと足を踏み入れる。