「はい、転校生の天海奏太さんです。じゃあ自己紹介よろしく」



朝の会が始まった頃、みんなが待ちに待っていた話題が出てきた。



「親の転勤で引っ越したんですけど小学生まではこっちにいたんで覚えてたらよろしく」



あれっこの人……!?



少し軽い喋り方。



さらっさらな髪の毛に、少し低めの身長。



やっぱり奏太だよね?



この転校生天海奏太は私の幼馴染。唯一連絡先を交換しているのがこの人。



「じゃあ天海さんは寺島さんの隣の席に座ってください」



えっ私の隣!?



ちょうど私の隣の席には誰いないけど……



「わかりました」



はっきりと返事を返した奏太がスタスタと歩いてくる。



「あれっ美央じゃんっおひさー」



席に座った奏太が私に気づいたのか楽しそうにそう言った。



「久しぶりっ連絡くらいしてくれても良かったのに」




あまりスマホは使わないけど連絡くらいなら全然取れる。



「だって驚かしたかったんだよ、実際お前驚いただろ?」



そう言ってにっこり笑う奏太の笑顔は昔と全く変わらない可愛い笑顔。



「まぁ驚いたけど……」



「じゃあドッキリ成功だな」



「ドッキリって大袈裟よ」



昔に戻ったようなそんな懐かしい気持ちが湧いてくる。



少し面影のある奏太の顔を見て昔を思い出したのだろう。



これからもっと楽しくなりそうだなっ