数年前、僕の母親が友達を連れてきた。 その友達には娘がいたようで、でも父親を早くに亡くし女で一つで育てていたという。 「この子に何かあったらよろしくお願いします」 その母親が僕の母に頭を下げる光景が今でも鮮明に思い出せる。 その母親の娘は寺島美央というらしい。 美央の母親が働いていて家を開けている間、僕が遊び相手になったりしていつしか兄弟のように仲良くなっていた。