今は五月。少し肌寒くでも過ごしやすくなって来た頃。
中三の寺島美央は今日、死のうと思った。
なぜってそんなの大切な人がいなくなりこんな世界にうんざりしたから。
今から少し前、この地球に月が落ちてくることがわかった。
「一年後、ここ地球に月が落ちて来ます」と。
それは全世界で報道され、世界中が驚愕した。
だって後一年しか生きられないのだから。
それがわかると世の中の歯車が壊れだした。
犯罪に手を染める者。遊び呆ける者。自分の人生を自分の手で終わらせようとする者。
勿論、最後まで悔いの無いようにと過ごす人のが多いのだが。
私はそうはいかなかった。
だってもう帰る場所がないから。
私は早くに父を亡くし、母が女で一つで私を育ててくれていた。
だが、もう私の母もこの世にはいない。
交通事故にあったから。
初めはただの事故だと思った。
だけど違った。
あの日はお母さんと二人で出かけていて、急に車が突っ込んできて自販機に飲み物を買いに行っていたお母さんが巻き込まれた。
運転手はもう地球が終わるなら何してもいいやと軽い気持ちで犯罪に手を染めた所、急に自分の行いが怖くなり自殺しようとトラックを走らせたらお母さんも巻き込んてしまったそう。
死にたいなら迷惑をかけないようにしてほいし。



