「美央、僕ね美央の事がずっと……うぐっ」
もう時間が無いとわかったのか私の方に向き直り私の目を見て告白の前置きみたいなものを話し出す四季さんの口を塞ぐ。
四季さん、私の事好きだったのかな?と自意識過剰な考えが頭によぎる。
それなら嬉しいなぁ両片思いだったって事だもんねっ
もっと早くそれに気づきたかった。
「四季さん、あなたはもう婚約しているはずでしょ……だから、そんな事、嘘でも言ってはいけませんっ」
本当は嬉しかった、叫んでしまいそうなほど嬉しかった。
だけどそれはダメだから。
今日で終わるとしても、そういうのはちゃんとしておかないとでしょ?
四季さんはハッとしたように眉を動かした後、苦しそうに瞼を閉じた。
わかってくれたかな?
そう思い私は四季さんの口を塞いでいた手をおろす。
「すみません、こんな事して、でも、やっぱり、ダメだと思ったから……」
あ、れっ……?
言葉がうまく繋がらない。
四季さんの方を向くと四季さんは驚いたように目を見開いている。
私の視界はどんどんぼやけていって止められない。



