それから各々が自分のやりたい事をし、一人また一人と夢の中へと落ちていった。



そして最後に残ったのは私と四季さん。



「寝ちゃったねっ二人」



「そうだねっ」



二人で向かい合って座れる部屋のはじに置かれている椅子に腰掛ける。



奏太も凛音ちゃんもずっとはしゃいでいたから疲れて寝てしまったのだろう。



「ねぇこうやって話すの久しぶりじゃない?」



カクッ小首を傾げながら私の方を向く四季さん。



「そ、そうですねっ」



一緒に旅行に来れたのは初めてだし嬉しいけど、二人きりで話すなんて心の準備ができてないよ……っ



変に緊張してしまい四季さんの顔を見る事ができない。



私、前までどうやって四季さんと喋ってたっけ……っ



いつもみたいに喋るだけでもドキドキして心臓の音がうるさい。


「僕さ、美央がいなかったら今の自分がいないと思うんだ。だからありがとね!」



そう言ってにっこりと笑いかけてくれる。



急な告白と四季さんの笑顔に動揺しつつもなんとか平然を装う。



「私の方が助けられてますよっあの時四季さんが止めてくれなかったら今ここにいませんから……」



感謝しないといけないのはこっちの方。あの時四季さんが止めてくれなかったら今の私はいない。



「ふふっそう言ってもらえると嬉しいよっ」



ふわりっと花が咲いたみたいに笑う四季さんは本当に綺麗だった。