「おいっ聞いているのか!?」
うるさ……
今いるのは僕の実家。つまり犬堂家。
せっかく美央と再会した時の事思い出していたのに……
この前父親に僕の住んでいる場所がバレ、このように毎度毎度呼ばれるようになってしまった。
おまけに美央も見られたし。
そのせいで「あの女は誰だ?」「まさかとは思うが好きになったりしてないだろうな?」と毎回聞かれるしまつ。
僕が誰を好きになってもこいつには関係ないだろ?
「それで、お見合いの話だが四季が卒業したと同時に婚約する事になった」
イライラが募る中、そんな事を上乗せしてくる。
「卒業と同時……?」
なんでだよ、卒業と同時なら後一ヶ月もないのに婚約だなんて……
「わかったか?」
「わかりました……」
正直殴ってやりたいほどムカつくしイライラする。
だけど、もしここでこいつを殴ったりしたら美央に何するかわかったもんじゃない。
それに凛音もいる。
美央は奏太君に任せているから大丈夫かもだけど凛音は今までずっとここにいた。
僕がいなくなってから父親はもっと酷くなったらしい。
だからもう逃げ出す事もできない。
……僕がやるしかないんだ。最後まで
後数ヶ月。美央は大丈夫だろうか?
最近はあまり家にいないから美央がどうなっているのかわからない。



