余命宣告を受けた地球の中で私達は恋をした。


「君、死んじゃうの?」



急いで駆け上がった階段で上がった息を整え冷静さを見せながら女の子にそう尋ねる。



するとこんな時間に人が来るとは思っていなかったのかバッとこちらを振り向き驚いていた。



あれ?この子見た事あるような……?



さっきは暗くて顔がよく見えなかったがここからだとよく見える。



だが、今は思い出している場合じゃないと喝を入れ女の子の方を向く。



「誰?」



意外と冷静だな、この子。



話が通じるとわかり無意識に口角が上がる。



僕がいるのは屋上の入り口。



彼女がいるのは柵のそば。



ここからだと声を張らないといけないからゆっくりと近づく。



あっこの子知ってる、あの子だえっと確か寺島美央だったっけ?



前にあいつと契約を結んだ会社の社長の娘。



たまにうちに遊びに来ていたりもしていた。



この子の母親が僕の母親に「娘に何かあったら美央をよろしくお願いします」って頭を下げていたくらいだし。



って今はそんな事よりこの子死のうとしてるのか?



……いいかもしれない。



一瞬頭にそんな言葉が浮かび上がった。



家を出てあそこで過ごせるって意気がっていたけど、やっぱりあいつの呪縛からは逃れられそうにないしな。



「僕?僕は君と最後の一年を共にする者なのだよ」