だがそれは甘い考えだったらしい。



月が終わると発表されてから数日後僕は父の書斎に呼び出された。



「四季、お見合いの話だが……」



もしかしたらなくなるのかもと期待に胸を膨らませ次の言葉を待つ。



「延期する事になった」



は……?



なくならないのか?



言葉が出なかった。もうお見合いはなくなったかと思っていたから。


延期?ふざけるな。もう一年後に世界が終わるんだぞ?お見合いなんてもうどうでもいいだろ。



「それだけだ。出ていけ」



言いたい事だけを言い用が終わると邪魔だとでも言いたげな顔で追い出す父。



はは……やっぱり俺は駒、か……



乾いた潮笑が廊下に虚しく響く。



くっそ、なんで俺はこんな事になってんだよ……



そうだ!もうあと一年ならここを抜け出したてもいいんじゃないか?



もう何もかも嫌になりいつもなら考えないそんな考えが舞い降りてきた。



そうと決まればすぐ行動と思い住めそうな所を探した。