そんな環境に僕はうんざりしていた。



母に相談したい所だが、母は俺が十歳になるタイミングで他界した。持病の悪化だそうだ。



だからこんな環境を誰かに相談する事もできなかった。



そんなタイミングで僕にお見合いの話が来た。



相手はうちが贔屓している会社の社長のご令嬢ならしい。



その子と婚約しこれからの関係を硬く結ぼうとしていた。



僕はそのご令嬢を好きなんて思った事もなかったし会ったことさえ数えるほどしかなかった。



だけど拒否権など初めからないに等しくNOとは口が裂けても言えない。



あぁ僕の人生一生こいつの駒なんだろうなと半ば諦めていた。


そんな時、突如"今から一年後に地球が消滅します"と全世界に発表された。



それを聞いた時、僕は飛び上がってしまいそうなほど嬉しかった。



もしかしたら自由に生きれるかもしれない。と初めて小さな希望が見えた気がした。