前々からそうだった。



俺の父親は今も昔も全く変わらない。



自分の私利私欲の為なら子供も駒にするようなやつ。



初めはそれが普通なのかと思っていた。



けど、違った。



「四季君のお家はお金持ちなんだって」



「パパが社長ならしいよ」



小学生の頃はそう言われても自分の父が誇らしくて胸を張っていた。




けど、中学生になってから少しずつズレているんじゃないかと思いだした。



「あいつの父親コミュニティの社長なんだってよ」



「まじで!?すげーな」



初めは良かったのに、中学の終わりから周りの態様は変わっていった。



「あいつと仲良くしてたらいい事あんじゃね?」



「金くれねぇかな?」



完全に僕を金ズルだと思っているようだった。



甘い言葉をかけて誘惑してくる女もいたし上辺だけの笑顔で寄ってくる輩もいた。



教師でさえ僕を贔屓し取り入ろうとしてきた。