「そこのお嬢ちゃん」



ん?今何か聞こえたような……?



私が帰りに使う道は人通りが少なく今も私以外に歩いている人はいなかった。



もしかして私?



後ろから声がし振り向くとそこには怪しげな女の人が「あなたの運命は?」と書かれた看板の下に座っていた。



荷物が重くて早く帰りたかったからか素通りしてしまっていたみたいだ。



「えっと、私ですか?」




「そうだよお嬢ちゃん」




深紫色のベールで顔が隠れていたが微かに見える口元が笑っているように見えた。




私に何のようだろう?ってかこの人は何者?



多分占い師?なのだろう。ベール被ってるし机の真ん中に水晶玉が大切そうに置かれているから。




「お嬢ちゃんは今、悩んでいるね?それも恋愛について」