「じゃあ美央にはいねーの?好きなやつ」



一通り話し満足したのか炭酸飲料をごくごくと音を鳴らしながら流し込む奏太はまるでCMを連想させるようだ。



私の好きな人?好きな人かーいた事ないなぁ



奏太の話を聞いていいなぁーとは思ったが私には無縁だなとも思っていた。



「いないかな?」



私がそう言うとがっかりしたように肩を落とした。



「じゃあなんか気になるやつとかは?」



好きな人じゃなくても気になる人ならば?と思ったのか方向性を変えて聞いてくる奏太。



気になる人……あっ!



「いるかも、気になる人」



考えた時、一人だけ思い浮かんだ人物がいた。



「誰だ!?」



まるで飢えた動物が獲物を捉えたかのように食いついてくる奏太は本当に恋バナが好きなのだろうなと思った。



「なんか一緒にいると嬉しくて、その人がいない時は寂しくなって、少しでも長くその人といたいって思っちゃう人」