私たちの恋風は、春を告げる



「………え」

スノードームを見つめていた私は、冬紀の静かな声に、ゆっくりと視線を移動させる。

「咲茉が、好きだ」

私は、小さく息を吸う。

まだ、冬紀にはクリスマスの時の返事はしていない。

でも、いつかはしなきゃいけない返事は、もう決めていた。

「……私、考えて考えて…やっぱり、冬紀のことはただの幼なじみとしか思えない。それ以上の気持ちは、無かった…」


冬紀は黙って、私の言葉を聞いていた。