「彗くんはよく、ここに……?」
「眠いときは特に」
そう答えて彗くんがふわぁと欠伸するのを見ると、屋上へ来たとき彼が寝ぼけ眼に見えたことを思い出した。
「私、彗くんが寝てたところを起こしちゃったような気が……」
「そう、起こされた」
「……すみません」
「悪いと思ってる?」
「反省してます……」
「じゃあちょっと肩貸して。それで許すから」
肩を貸すという意味がわからずにいる私の肩に、彗くんの頭がとんっと乗った。
サラサラと風に揺れる髪からか、いい香りが鼻に届くほど距離が近い。
お昼寝の体勢が整いましたとばかりに、彗くんは目を閉じてゆっくりとした呼吸を繰り返しはじめる。
私は膝を抱えたまま。彼を起こさないように、寝心地のいい肩であることを目指すだけだ。
(ずっとこのままこうしていたい……)
緊張も次第に解けていくのを感じながら、私はそう願っていた。
あたたかい日差しと、彗くんと二人きりの屋上で、会話がなくてもとても幸せな気持ちだったからだ。
「眠いときは特に」
そう答えて彗くんがふわぁと欠伸するのを見ると、屋上へ来たとき彼が寝ぼけ眼に見えたことを思い出した。
「私、彗くんが寝てたところを起こしちゃったような気が……」
「そう、起こされた」
「……すみません」
「悪いと思ってる?」
「反省してます……」
「じゃあちょっと肩貸して。それで許すから」
肩を貸すという意味がわからずにいる私の肩に、彗くんの頭がとんっと乗った。
サラサラと風に揺れる髪からか、いい香りが鼻に届くほど距離が近い。
お昼寝の体勢が整いましたとばかりに、彗くんは目を閉じてゆっくりとした呼吸を繰り返しはじめる。
私は膝を抱えたまま。彼を起こさないように、寝心地のいい肩であることを目指すだけだ。
(ずっとこのままこうしていたい……)
緊張も次第に解けていくのを感じながら、私はそう願っていた。
あたたかい日差しと、彗くんと二人きりの屋上で、会話がなくてもとても幸せな気持ちだったからだ。



