恋と首輪



「きて、」
「え、ちょ、っと…」
そのまま私を抱えて、ソファに下ろす。

「目瞑って」
その声に目を瞑ると、首に何か冷たい感触を感じる。

「目開けて」

「……あ、これ」
首元を見ると、見覚えのあるネックレス。
首輪だった時に、ずっとしてたのと一緒…。

「同じデザイン探すのすげえ苦労したわ」
「…なんで、」
「色々考えてさ、俺らの原点ってやっぱこれかなって」

しゃらしゃらと私の首元のネックレスを触る蓮。

「ふふ、確かに」
他の人には笑われそうだけど、思えば、私たちの出会いも恋も

首輪から始まったんだっけ。

「あと、これペアになってるから、俺にもつけて?」
そしてもう一個同じデザインのネックレスを取り出した。

今までは私しかつけてなかったから、なんか新鮮。

私はゆっくりと蓮にそのネックレスをつける。

「ありがと、蓮。嬉しい…。」
優しい顔で微笑んだ蓮は、私のおでこにちゅ、とキスを落とした。

「みゆ、俺みゆのこと超好きなのわかってる?」
「……うん、わかってる」
「俺ね、毎日毎日起きたら目の前にみゆがいるのすげー幸せ」
「…ど、どうしたの急に…///」

「んー?今酔っ払ってるからなんでも言える」
酔った時のとろんとした顔で、そんなこと言うから、心臓がもたない。

きゅんきゅんする。


「みゆ、俺と結婚してくれてありがとう」

そんなの、私もだよ…
やばい、また涙出そう。

「あー、俺がこれを言いたくなる日が来るなんてなあ。」
「…え?」
「みゆに出会う前の俺が知ったらきっとびっくりするよ」

暗い部屋の中でも、蓮の綺麗な目が、鮮明に見える。
そして私は、蓮のおかげで、

「愛してるよ、みゆ」

"愛" を知れて、本当によかった。

【完】