恋と首輪



キスでヘロヘロになった彼女を支えた俺はそのまま耳元でこう囁く。

「君が初めてだよ。こんなに人の心が欲しいと思ったのは。」
自分でも、不思議だよ。
ここまで人に執着することなんか、なかったから。何もかもが、初めてなタイプの女。

全てを見透かしてるような、その目は俺をゾクゾクさせる。
こんな楽しいゲームは、初めてだ。

「蓮様、唯一お金で買えないものをご存知ですか?」
「何?」

「人の心です」
みゆは、俺の頬に手を添える。
俺の目をしっかり捉えて離さない、彼女の目。

「私の心が、蓮様に行くことはありません、絶対に。」
「何で言い切れる?」
「私にとって蓮様は恐怖の対象でしかないから。」

"恐怖"
そんな言葉なんて、全く感じさせないぐらい彼女は堂々としてる。

「それに、私はあなたが嫌いです。」

嫌いか…
生まれて初めて言われたその言葉は、意外にも悪い気なんてしなかった。

むしろ、すごく魅力的だ。

ああ、やっぱり君は最高だよ。
俺をここまで狂わせる。

俺は、真っ白な彼女の首に吸い付いた。
しっかりと、残った赤い跡。

その綺麗な跡をぺろっと舐めると、ビクッと体を震わせる彼女。


「ゲーム、スタートだ」


俺は絶対に、君を惚れさせる。