恋と首輪



「蓮様、みゆ様、おはようございます。」
おはよ〜と、陽気に挨拶する俺の仕えてる主人達。

蓮様とみゆ様の結婚後も、俺は秘書として2人に支えている。
結婚後、東雲財閥と宝谷財閥が合併し、世界でも有名な財閥となった。

蓮様が社長に、みゆ様が副社長に就任した代表の会社も、業績は右肩上がりで

「ねえ、南雲聞いてよ。蓮ったらまだスーツも自分で選べないんだよ」
「選べねーわけじゃねーし。」
「じゃあ何!毎日毎日私が選んでるじゃん」
「みゆが選んだ方が仕事に身入るっつーか、スーツ見るたびみゆのこと思い出せるだろ?」
「……は?…なにそれ、そんなかわいいこと言ったって、」
「じゃあいいや、みゆが嫌ならこれから自分で選ぶ」
「…ちょ、…嫌、とは…言ってないでしょ」
「ふは、みゆってやっぱ超単純」
「……ッ、ねえ、今私のことはめた!?最悪!!」
「ごめんごめん、でもみゆ思い出すのは事実だし、機嫌なおして?な?」
「…はっ、誰のせいで機嫌悪くなったと…もう離して!!」
「やだ〜」

こんな側から見たら年相応のバカップルのような2人が、今や日本の中核をになう財閥のツートップだなんて誰が思うだろうか…。

「南雲、私今日は絶対蓮のこと許さない!決めた!!」
「意地張っちゃって、可愛いなあもう」
「うるさい!」

「はは、幸せそうで何よりです」
本当に。
高校で2人の恋愛相談を受けてたのが昨日のようなのに。
一番そばで見ていたからわかる。

「さあ、もう着きますよ」

蓮様にはみゆ様が必要だし、
みゆ様には蓮様が必要だ。