恋と首輪



「ちょ、蓮ってば!どこ行くの!」

俺はありえない格好をした彼女を何も言わずに連れ去る。
みゆの姿を見た瞬間に、俺は見事に固まった。

フリフリのメイド服に黒のニーハイソックス。
ミニスカートから覗かせるみゆの綺麗な太ももが色っぽい。
そしてツインテールに猫の耳がついたカチューシャをつけている。
しかも、化粧してる?
とりあえず、死ぬほど可愛い。

こんなみゆを知らない男達に見られてたのかと思うと全員殺してやりたくなる。
やばい、俺ってこんなキャラだったっけ。

いつ見ても異様な俺の専用部屋を開け、みゆを入れる。
自分のデスクに腰を下ろして、みゆを抱き寄せた。

「これ、どうゆうこと?」
「文化祭の出し物決めで、私全然話聞いてなくて…いつの間にか猫耳メイドカフェって決まってて、」
「それで?」
「断ろうとしたけど、クラスの女の子達が楽しそうに私の話してて…断れなくて…ごめんなさい」
みゆは泣きそうな顔で淡々と話す。

「…初めてだったから、友達と一緒に何かを考えたり、放課後一緒に遊んだり…だから」
「俺に言わなかったのは?」
「絶対、反対されると思って、こんな衣装。でも文化祭終わってこれ着て会いに行ったら許してくれるって、女の子達が。何も言わずに、会いに行くつもりだった…」

「はぁ、」
深いため息をついた俺は、可愛い彼女を抱きしめる。

「れ、ん?」
「触られてない?」
「…え?」
「客に。触られてない?どこも」
「う、うん。」

ほんと、おかしくなるよ。

「男みんな見てた。みゆのこと」
「そ、そんなことない…」
「見てた。俺のみゆ」

俺はリップで赤くなったみゆの唇に自分のをくっつける。
ちゅ、と音を立てるとみゆの顔はみるみる赤くなった。

「ヒィッ」
みゆの白い首に手を当てると、驚いたようにびくっと体を震わせた。

そのまま俺は彼女の首に吸い付く。
何回も、何回も。

みゆの目には涙が溜まって、俺は指で涙を拭う。

「抵抗しないんだ」
「…悪い、と思ってるし。」
「ほんとに悪いよ、みゆは。」

俺をこんなに好きにさせて、
独占欲まみれにさせて

本当は全身に痕つけたいって言ったら引かれるかな。

「じゃあ、終わったらまたここに来てよ」